淡水パールとは?
- 名称:淡水パール 英名:Freshwater pearl(フレッシュウォーターパール)
- 別名:湖水真珠(海ではなく湖で養殖されることから)
- 主な生産地:中国 日本も少数
- 市場価格:¥8,000~¥100,000(ネックレスの場合)
- 価値:低い(あくまで価格的な価値)
- 人気:高い
- サイズ:2㎜前後~20㎜UPまで幅広い
- 色:白、ピンク、グレー、ゴールド、パープル、ブルーなどさまざま(調色含む)
- シェイプ(形):ラウンド、バロック(いびつ)、スクエア、ケシ型、などさまざま
- 耐久性(劣化の遅さ):他パールに比べて劣化が遅く耐久性が高い
- 使用ブランド:アクセサリーブランド~ハイジュエリーブランドまで様々なブランドが使用
- 美しさ:値段に比例 全体的にみると他パールに比べやや美しさにかける
- 使いやすさ:非常に使いやすく便利
簡単に淡水パールについてまとめた表です。
さらに詳しくはこれから解説していきますので、
●複数あるパールの種類の中での淡水パールの立ち位置
●淡水パールのメリットやデメリット、淡水パールの価値など
パールバイヤー歴9年の筆者が、忖度なし!で解説していきます!
この記事で知れる内容
・3.淡水パールは他パールと何が違う?決定的な違いは貝と生産地にあった!
・1.淡水パールも本物の真珠です
一般的に淡水パールは、値段も低価格で、
本物のパールとは呼べない貝パールやコットンパールの製品と同等の値段で販売されていることもあり、
という質問も多く受けたことのある筆者ですが、
〝淡水パールも貝から採れる紛れもない本物のパールです〟
ちなみに淡水パールは、淡水真珠や湖水真珠などとも呼ばれますが、
すべて同じものを指しています。
ポイント
淡水パールは低価格だが本物の天然真珠
・2.淡水パールの価値は本物なのになぜ低い?なぜ安い?
なぜ淡水パールは他パールに比べ、値段的価値が低いのか?それはずばり、
〝希少性〟
にあります。
日本市場でネックレスやピアスなどの装飾品として、
主にメインで使われているパールは、
〝淡水パール、アコヤパール、南洋パール〟
大きく分けてこの3種類です。
基本的にはすべて養殖で人の手が加えられてできるパールですが、
アコヤパール、南洋パールが養殖でも1つの貝から1粒~2粒程度しか採れないのに対し、
淡水パールは1つの貝から複数個のパールが採れます。
つまり、
アコヤパール、南洋パール
→数が少ない=希少性が高い=価値が高い=値段が高い
淡水パール
→数が多い=希少性が低い=価値が低い=値段が低い
ということです。
淡水パールの価値についてさらに詳しく知りたい方はこちらも参考に
・3.淡水パールは他パールと何が違う?決定的な違いは貝と生産地にあった!
生産地の違い
淡水パールとアコヤパール、南洋パールの決定的な違いの一つは生産地の違いです。
淡水パール:湖(淡水) 中国
アコヤパール:海(海水) 日本
南洋パール:海(海水) タヒチやオーストラリアなど
このようにそれぞれ生産国も違いますが、なによりも、
海水か、淡水か
という違いです。
淡水パールは名前の通り淡水(湖)で養殖されてます。
淡水で養殖されるからといって、
真珠の形成される過程や養殖に大きな違いはないですが。
この要素こそが、淡水パールなのか、他のパールなのかをはっきり分ける要素です。
淡水パール(湖)での養殖の様子
https://www.youtube.com/watch?v=Hzn_lExw7FA
母貝(貝)の違い
淡水パール・イケチョウガイ
淡水パールの母貝は主にイケチョウガイ(日本産)、ヒレイケチョウガイ(中国産)の2種類で、
日本市場で見る淡水パールは、ヒレイケチョウガイで中国で生産されるものが多いです。
見ての通り貝が非常に大きい為、一つの貝から複数個のパールを採ることができます。
アコヤパール・アコヤ貝
アコヤパールの母貝はアコヤガイ(主に日本産)で、
世の中で見るアコヤパールは日本のアコヤガイで日本産がほとんどですが、
中国産のアコヤパールも存在します。
・4.淡水パールができる仕組み
世間で見る、淡水パール、アコヤパール、南洋パールも、
真珠ができる仕組み・メカニズムはほぼ同じです。
貝の特性として、
貝の中に砂利などの異物が混入すると、貝は身を守るために、
貝内で真珠層を分泌し、異物を包み込みます。
そうして、時間をかけ真珠層で何層にも包まれた異物が、
真珠となるわけですが、これはあくまで自然にまかせた本当の天然真珠。
製品にはならないような、丸くないものや小さいものがほとんどです。
そこで人間の手を加え、異物ではなく、意図的に核もしくは外套膜を入れ、きれいなパールを形成させるのです。
流れをまとめると、
貝に人間が核を入れる
↓
貝が身を守ろうと真珠層を分泌し年月をかけ包み込む
↓
パールの出来上がり
というわけです。
貝からパールを採った後には、
より、パールを美しく見せるための、エンハンスメントやトリートメントなどの処理がありますが、
長くなりすぎるのでまた別の記事でまとめようと思います。
・5.淡水パールのメリットとデメリット
前述しているようにパールには主に3種類のパールがありますが、
それぞれの個性や良し悪しがあります。
淡水パールのメリットとデメリットを簡単にまとめていきます。
淡水パールのメリット
●値段が手ごろで手が出しやすい
ネックレスで言うと¥8,000前後~¥100,000前後(高くても)くらいです。
誰でも手が出しやすい値段で気負いなく着用できます。
●色や形、サイズが豊富
ラウンド、セミラウンド、バロック、ケシ型、スクエア、星型などあらゆる形が存在し、
カラーも定番の白やピンク、グレー、ゴールド、ブルー、茶色などたくさんあります。
●劣化が遅い(耐久性が高い)
他パールに比べ淡水パールは真珠層が厚く
長きにわたってきれいな色味やツヤを楽しむことができます。
淡水パールのデメリット
●価値の低さとイメージ
今でこそファッションパールとして人気の高い、淡水パールですが、
養殖技術が低かった昔はテリや形も美しい淡水パールが市場にあまりなく、
お土産屋などでかなり低価格で販売されていたこともあり、
とくにご年配の方からは〝安物パール〟のイメージがあります。
●他パールに比べて少し重い
他パールに比べて淡水パールは真珠層が厚いため、
特に大粒になればなるほど、重量を感じます。
メリットやデメリットをより詳しく知りたい方はこちらの記事も参考に
・6.淡水パールの美しさは?
淡水パールはここまでで
〝価格的価値は高くない〟
と書いておりますが、かといって、
美しいパールがない!ということにはなりません。
特に写真の様な淡水パール特有の、ピンクやパープル系などの色は、
シャープでピカッとした他パールに比べても引けをとらない美しい淡水パールもあります。
ただ、全体的に見て、
白の淡水パールは、アコヤパールの様な存在感抜群のシャープで透き通ったような美しさのパールは少ないです。
ですが、低価格にしては十分満足できる美しさのパールもたくさんあります。
まとめると、
●淡水パールは他パールに引けをとらない美しいパールもある
●ピンクやパープル系統の淡水パールはキレイなものが多い
●白の淡水パールは全体的に見て、アコヤパールの様な美しさのものはなかなかない
●価格にしては十分な満足感の美しさのパールが選べる
という感じです。
・7.写真でわかる!淡水パールとは
あれこれ書いてるけど、とりあえず淡水パールがどんなものなのかが見たい!
実際にどんなものなのか見たほうが早いですよね。
というわけで写真でまとめていきます!
ラウンド
球形のスタンダードなパール
セミラウンド
ほぼ真円のパール 淡水パールはこちらが多いです
カラーが豊富
形も豊富
こんな感じで淡水パールにはたくさんの種類があり、
冠婚葬祭などのフォーマルシーンから、日常でのおしゃれ使いまで幅広く対応することができる優秀なパールです!
・8.この記事のまとめ
というわけで淡水パールとは?でした!
簡単に記事の項目ごとにまとめます!
淡水パールも貝から採れる本物の真珠!
希少性が理由!淡水パールは他に比べ大量生産が可能だから!
・3.淡水パールは他パールと何が違う?決定的な違いは貝と生産地にあった!
淡水パールは湖で養殖!他パールは海で養殖!
貝の中に核(異物)を意図的に入れ、貝の中で異物に真珠層が巻かれていき年月をかけパールとなる
値段が手ごろな上に色や形も様々!しかも劣化も遅く使いやすい!
ただイメージが良くない場合があるのと、重さがある!
他パールに引けをとらない美しい淡水パールもある!
特にピンクはきれいなパールが多いが、
白だときれいなパールが見つけにくい!
写真を見てくれ!
ご参考に!
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