淡水パールと本真珠の違いって何なの?
それぞれのメリットやデメリットとかってあるのかしら?
それぞれの価値や美しさの違いは?
淡水パールって値段がリーズナブルなのはなんで?
淡水パールの見分け方は?
筆者がパールバイヤー兼、店頭を担当していたころによくお客様から聞かれた質問です。
今回は
〝淡水パールと本真珠の違い〟
についてまとめていきます!
この記事で知れる内容
・2.淡水パールと本真珠(アコヤパール)の違い!一目でわかる表付き!
・3.写真と動画で比較!淡水パールと本真珠(アコヤパール)の違いはここだ!
・1.そもそも本真珠とは?
真珠・パール | |
本真珠 | イミテーションパール |
・淡水パール(淡水真珠) | ・貝パール |
・アコヤパール(アコヤ真珠) | ・コットンパール |
・南洋白蝶パール(南洋白蝶真珠) | ・プラスチックパール |
・タヒチ黒真珠(タヒチ黒真珠) | ・ガラスパール |
・マベパール(マベ真珠) | ・エアパール |
・コンクパール |
わかりやすいように表にまとめましたが、
左が本真珠、右がイミテーション(偽物)のパールです。
見ていただいてわかるように、
淡水真珠も正確には本真珠
なのですが、
アコヤパール(アコヤ真珠)=本真珠である
淡水パール(淡水真珠)=本真珠でない
というイメージが日本国内ではかなり浸透しており、
本真珠=アコヤパールとして話すことが結構一般的です。
なのでここからは、筆者も、
本真珠=アコヤパール
として話をしていきます!
というわけで次から淡水パールと本真珠(アコヤパール)の違いを見ていきましょう!
・2.淡水パールと本真珠(アコヤパール)の違い!一目でわかる表付き!
淡水パールと本真珠(アコヤパール)の違いは、
〝産地と水質の違い、貝の違い、テリツヤの違い、値段の違い、〟
です。
その他さらに詳しく言えば、
価値の違い
耐久性の違い
核のあり、なし
などがあります。
わかりやすくまとめた表が以下です。
ざっとわかりたいならこの表で十分ですが、
さらに詳しく知りたい人用に1項目ずつも書いていきます。
産地と水質の違い
淡水パール
- 産地:主に中国 日本の霞ケ浦でも
- 水質:湖(淡水)
本真珠(アコヤパール)
- 産地:主に日本 最近では中国でも
- 水質:海(海水)
産地と水質にはこのような差があります。
外国人の旅行者などは
〝日本と言えば真珠!〟
というイメージを結構持っていて、日本に旅行に来た際に、
パールをお土産に買って帰ることも多いですが、
そういう人や、きちんとしたパール!をお求めの人にはやはり
〝日本産の本真珠(アコヤパール)〟
が定番であると言えます。
貝の違い
淡水パール・イケチョウガイ
本真珠・アコヤ貝
貝の違いもこのように、
淡水パールは母貝が大きいので、一つの貝から複数個のパールが採れるので、
〝大量生産〟
が可能です。
対し、本真珠(アコヤパール)は、
〝1つの貝から1つのパールしか採れない〟
ので、ここが値段や価値に響いてきます。
テリツヤの違い
淡水パール
引用元:AliExpress https://best.aliexpress.com
本真珠
引用元:AliExpress https://best.aliexpress.com
テリツヤもこのような感じで異なり、
言葉で表すのは難しいですが、
淡水パール→まろやかで落ち着いたテリ
本真珠→シャープでキレのあるテリ
というような感じです。
最近では淡水パールでもアコヤパールに似たシャープなテリのものも出ていますが、
ハイクオリティのアコヤパールになればなるほど、
淡水パールでは近づけないテリになります。
つまり、
低価格のアコヤパールを検討中→淡水パールを選ぶのも選択肢として有り
ハイクオリティのアコヤパールがどうしても欲しい→淡水パールは完全に選択肢になくてよい
という感じで購入の際は考え方を改めてもいいかと思います。
値段と価値の違い
すでに前述していますが、
両者の値段と価値の違いは、
〝希少価値〟
にあります。
淡水パール=大量生産可能
本真珠(アコヤパール)=1つの貝から1個
という差があり、
値段、価値にも大きく影響しています。
あくまで参考ですが、ネックレスで考えた場合、
淡水パール=¥8,000~¥100,000程度
本真珠(アコヤパール)=¥25,000~¥300,000程度
というように価格に差が出ます。
耐久性の違いと核の有り無し
淡水パール
本真珠
基本的にパールの生産方法は、
貝の中に核を人工的に挿入し、その核に真珠層が巻かれて真珠となる
色々端折るとこんな感じなのですが、
上の図を見てわかるように、
右の本真珠(アコヤパール)は中心に核が入っており、真珠層の厚みは0.4㎜~1㎜です。
対し、淡水パールは核がなく、すべてが真珠層です。
真珠の内部にはこういった差があり、
ほぼすべてが真珠層でできた淡水パールは、
本真珠に比べ、耐久性が高く、色味やテリツヤが損なわれにくく扱いが楽というメリットがあります。
※淡水真珠でも大粒などは核を入れる場合もあります。
淡水パール→核がなくほぼ真珠層で耐久性が高い
本真珠(アコヤパール)→真珠層が0.4~1㎜程度で耐久性が低い
・3.写真と動画で比較!淡水パールと本真珠(アコヤパール)の違いはここだ!
というわけで色々とごちゃごちゃ違いを解説してきたわけですが、
とりあえず、
見た目がどんな風に違うのか!
色々説明受けるよりここが結構重要ですよね!
写真と動画で比較していきます!
ただ、双方のパールのグレードによってだいぶ見た目の印象も変わるので、
色んなグレードの淡水パールと本真珠(アコヤパール)を比較していきます!
普通クオリティ本真珠VS普通クオリティ淡水パール(9㎜)
右=普通クオリティ本真珠 参考価格¥150,000~¥200,000くらい左=普通クオリティ淡水パール 参考価格¥30,000~¥50,000くらい
写真で比べるとこんな感じです。
どちらのパールも一般的な中間レベルと言える、
白いパールの普通クオリティを撮影しました。
淡水パールと本真珠とだと見た目の決定的な差は、
右の本真珠のほうが干渉色(ピンク色に見えているテリ)が強い
ということですね。
この干渉色が強いことによって、
淡水パールより、本真珠のほうがシャープで存在感の強いテリツヤがあります。
低クオリティ本真珠VSハイクオリティ淡水パール(7.5㎜)
右=低クオリティ本真珠 参考価格¥30,000~¥50,000くらい左=ハイクオリティ淡水パール 参考価格¥20,000~¥40,000くらい
ハイクオリティの淡水パールになるとさすがにテリツヤも強いのがわかりますね!
右の本真珠は干渉色がほとんど見えることなく存在感が薄いです。
このクオリティで比べた場合は淡水パールのほうがテリツヤが強く綺麗です!
参考価格も大した差もなく、むしろ淡水パールのほうが安いので、
低価格の低クオリティ本真珠を買うくらいなら淡水を選ぶって考え方もできますね!
動画で比較! 淡水パールとアコヤパールの違い!
右=普通クオリティ本真珠 参考価格¥150,000~¥200,000くらい
左=普通クオリティ淡水パール 参考価格¥30,000~¥50,000くらい
写真でも結構差は伝わったかと思いますが、一応動画での比較も撮影してみました!
やっぱり、
淡水パールより、本真珠のほうがシャープで存在感の強いテリツヤがあります。
・4.淡水パールのメリットとデメリット
ここまででも何となく、
淡水パールにはこういう良いところがあるんだ、、、
と思える部分があったかと思いますが、
淡水パールにも本真珠(アコヤパール)にもそれぞれの良し悪しがあります。
メリットとデメリットをまとめていきます。
淡水パールのメリット
●値段が手ごろで手が出しやすい
あくまで参考の価格ですが、
ネックレスで、大体¥8,000~¥100,000くらいです。
ただブランドによって差はありますが、
本真珠とは違い、比較的どのブランドでも手が出しやすい価格帯です。
●色や形、サイズが豊富
本真珠のサイズや色は幅が少ないのに対し、
淡水パールはラウンド、セミラウンド、バロック、ケシ型、スクエア、星型などあらゆる形が存在し、
カラーも定番の白やピンク、グレー、ゴールド、ブルー、茶色などたくさんあります。
●劣化が遅い(耐久性が高い)
前述しておりますが、他パールに比べ淡水パールは真珠層が厚く
長きにわたってきれいな色味やツヤを楽しむことができます。
淡水パールのデメリット
●価値の低さとイメージ
サイズや色の幅の広さや値段の手ごろさでファッションパールとして人気の高い、淡水パールですが、
養殖技術が低かった昔はテリや形も美しい淡水パールが市場にあまりなく、
お土産屋などでかなり低価格で販売されていたこともあり、
とくにご年配の方からは〝安物パール〟のイメージがあります。
●他パールに比べて少し重い
他パールに比べて淡水パールは核がなく、ほぼ真珠層でできているため、
特に大粒になればなるほど、重量を感じます。
メリットやデメリットをより詳しく知りたい方はこちらの記事も参考に
・5.本真珠(アコヤパール)のメリットとデメリット
淡水パールにメリット、デメリットがあるように、
本真珠にもやっぱり良し悪しがあります。
まとめていきます。
本真珠(アコヤパール)のメリット
●シャープでキレのあるテリ感と存在感
淡水パールと比べ、アコヤパールのテリはピカッと存在感が強く、
明らかに、
〝上質感〟〝高級感〟〝品格〟
が漂います。
淡水パールに比べ大粒はなく、珠サイズは小さめにも関わらず、
着用時の存在感はピカイチ!
●真珠!といったらアコヤパール(本真珠)!
日本産のアコヤパール(本真珠)は、世界的に見ても品質最高ランク!といわれており、
海外からの評価も高いです。
きちんとした贈り物や、格式のある場所などでの着用などに、
もっとも適したパールと言えるでしょう。
日本産アコヤパール(本真珠)というのはある意味ブランドに近いです。
●干渉色の美しさ
パールには実体色(パールそのものの色)と、
干渉色というパールの独特な構造から生まれる色があります。
わかりやすく言うと、
〝光の色〟
で、白いパールだけど、中心にピンクやグリーンの様なテリ、輝きが見えたりします。
この干渉色が、淡水パールに比べ、
本真珠はきれいで強いものが多いです。
干渉色についてはこちらの記事に非常にわかりやすいものがあったので載せておきます。
本真珠(アコヤパール)のデメリット
●値段が高く手が出にくい
淡水パールのネックレスの参考価格が、大体¥8,000~¥100,000くらいなのに対し、
本真珠のネックレスの参考価格は、大体¥25,000~¥300,000くらいです。
¥25,000なら手が出ないということはないですが、
そのくらい値段を下げてしまうとはっきり言ってクオリティに満足できないと思います。
最低でも¥50,000以上は出さないとあまりアコヤパールである意味が感じにくいクオリティになってしまうと思います。
●クラシックすぎるイメージ
淡水パールに比べ、上質感や品格が漂うのはメリットでも書きましたが、
デメリットとしても捉えることができます。
上質感や品格は確かに素晴らしいのですが、
〝キメ過ぎ感〟〝冠婚葬祭感〟
が出てしまい、日常ではちょっと使いにくいという声も。
●劣化が早い(お手入れに気を遣う)
淡水パールに比べ、真珠層が薄い本真珠は、
大変デリケートで汗や酸に弱く、使用中や使用後の手入れをきちんとしないと、
劣化が早く気をつかう。
●サイズや形の幅が狭い
淡水パールは形やサイズが幅広く豊富なのに対し、
本真珠は(アコヤパール)は、
サイズは2㎜~9㎜程度のものしかなく、形はラウンドとバロックパールくらいです。
※10㎜以上も存在はしますが非常に希少で市場で見られることはほとんどありません。
・6.結局どちらを選ぶべき?パール接客歴9年が語ります
結局、淡水パールと本真珠(アコヤパール)どっちがいいの?
筆者が店頭で販売に立っていた時にもよく聞かれた質問ですが、
これに関しては、
〝使用用途による!〟
というのが正直なところです。
こっちを買うべき!とかはっきり言えなくて申し訳ないのですが、
ここまでで書いているように、淡水パールにも、本真珠(アコヤパール)にもそれぞれの良し悪しがあり、
〝適した使い方や、適したシーン〟
があるわけです。
例を出すと、
夏場もファッションとして日常でたくさん着けたい!→耐久性が高く気を使わなくてすむ淡水パール
大事なビジネスのプレゼンがあって気合を入れたい!→品格や存在感、高級感が高いアコヤパール
という感じです。
自分が
〝どのシーンで着けたいか?〟〝どういう風に使いたいか?〟
その他にも
〝どこまでお金をかけるか〟〝使いやすさ、高級感どちらを重視するか〟
みたいに考えたりするとおのずとどちらが自分にとっていいか、
絞れてくるのではないでしょうか。
・8.この記事のまとめ
というわけで淡水パールと本真珠の違いでした!
色々な違いをまとめてきましたが最後におおざっぱにまとめます!
冠婚葬祭~普段使いまで!お財布にも優しい本物の真珠、淡水パール!
淡水パールを総括するとこんな感じですね!
とにかく、値段や使いやすさを考えると圧倒的にコスパのいい優秀なパールです!
圧倒的な高級感と存在感!リッチな気分で気分も上がる!本真珠!(アコヤパール)
本真珠を総括するとこんな感じですね!
特にラウンド型の定番のネックレスなどは、シンプルなだけに〝物の良さ〟で差がつくアイテムです。
予算的に高すぎるな、、、と思っても着用してみて、あまりの美しさに気分が変わる、
日本が誇る美しいパールです!
ご参考に!
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